船は海岸近くの波に激しく動揺しながら、艫を海岸のほうに向けかえてだんだんと汀 に近寄って行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:65% 作品を確認(青空文庫)
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着岸する
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前後の文章を含んだ引用
......い群れになって、石ころのようにこちんと立っている。白波がかすかな潮の香と音とをたてて、その足もとに行っては消え、行っては消えするのが見え渡る。 帆がおろされた。船は海岸近くの波に激しく動揺しながら、艫を海岸のほうに向けかえてだんだんと汀 に近寄って行く。海産物会社の印袢天 を着たり、犬の皮か何かを裏につけた外套 を深々と羽織ったりした男たちが、右往左往に走りまわるそのあたりを目がけて、君の兄上が手慣れたさばきでさっ......
単語の意味
艫(とも・ろ)
艫・・・1.船の後方部分。船尾。とも。⇔ へさき・みよし。
2.船の前方部分。船首。
2.船の前方部分。船首。
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着岸するの表現・描写・類語(乗り物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
やがて船底にじゃりじゃりと砂の触れる音が伝わった。船は滞りなく君が生まれ君が育てられたその土の上に引き上げられた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
舟が軋み、底に何かがぶつかったような感じがした時、もう、トモギに戻ったのかと驚いたほどでした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
崖 が次第に近づいてきました。浜から腐った海草の臭いが漂い、舟底を砂がひっかきはじめると、若者は、舟から飛びおり、海に足をつけて両手で 舳 を押しはじめました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
陸地に近づくと大きな蝶が二つ海の上を渡って来る。
岡本かの子 / 河明り
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「乗り物」カテゴリからランダム5
タクシーが、吸い寄せられたように、彼の眼前に滑って来た。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
街道を通ってゆくらしい自動自転車の爆音
梶井基次郎 / 城のある町にて
白い軌跡を描き、オレンジ色の炎の固まりとなったロケットは、あっという間に低く垂れ込めた雲を突き破り、視界から消え去っていった。 そしていま──。 遥かに、エンジンの轟音だけが、かすかにきこえる。 それはまるで、モノトーンが佃たちに残した別れの言葉のようだった。 一陣の強風がロケットの軌跡を 薙ぎ、かき消した。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
(零戦は)信じられないほど素早く、その動きはこちらが予測出来ないものだった。まさに鬼火のようだった。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
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