中天に冴えて来た月光を含む水煙がほの白く立ち籠 めかかった湖面に一艘 の船の影が宙釣 りのように浮び出して来た。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:46% 作品を確認(青空文庫)
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月の光・月明かり
船・ボート
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前後の文章を含んだ引用
......下目に見くだして、超人的 に批判している諷刺的 な平明がマスクしているのではないか……。復一はまたしても真佐子に遇 いたくて堪 らなくなった。 浪の音がやや高くなって、中天に冴えて来た月光を含む水煙がほの白く立ち籠 めかかった湖面に一艘 の船の影が宙釣 りのように浮び出して来た。艫 の音が聞えるから夢ではない。近寄って艫を漕 ぐ女の姿が見えて来た。いよいよ近く漕ぎ寄って来た。片手を挙げて髪 のほつれを掻き上げる仕草が見える。途端 に振り上げた顔......
単語の意味
立ち込める・立ち籠める(たちこめる)
中天(ちゅうてん)
冴える・冱える(さえる)
月光(げっこう)
立ち込める・立ち籠める・・・煙や霧などの気体が、あたり一面を覆う。
中天・・・見上げた空。さえぎるものが何もない、空の中ほど。天の真ん中。天の中心。中空(なかぞら)。空中。
月光・・・月の光。
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