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たとえば高くつるした大石を切って落としたように、過去というものが大きな一つの暗い悲しみとなって胸を打った。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:49% 作品を確認(青空文庫)
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突然感じる悲しみ
思い出・思い出に浸る
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前後の文章を含んだ引用
......た。右にも左にも人はいない。そう思った心のゆるみにつけ込んだのか、胸の苦しみはまた急によせ返して来た。葉子はもう一度手欄 に乗り出してほろほろと熱い涙をこぼした。たとえば高くつるした大石を切って落としたように、過去というものが大きな一つの暗い悲しみとなって胸を打った。物心を覚えてから二十五の今日 まで、張りつめ通した心の糸が、今こそ思い存分ゆるんだかと思われるその悲しい快 さ。葉子はそのむなしい哀感にひたりながら、重ねた両手の上......
単語の意味
胸(むね)
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全く思い設けなかった悲しみが、津波のように私の胸を襲って来た。
里見 トン / 桐畑 amazon
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そう言えばあの頃、僕は君を愛していたんだったと、笑い話のように振り返る。──歳月には、そうした力があるだろう。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
たゞ一つ残って居る美しい夢
岡本かの子 / 巴里祭
思い出が、快い音楽のように魂の中で鳴りひびく
福永 武彦 / 草の花 amazon
(素晴らしい思い出)振り返ると、その時間も、いつの間にか、見違えるほど色鮮やかに、陰翳豊かに彼の過去を染め直しつつあった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
追想は多くの迷路をたどりぬいた末に、不思議な仮睡状態に陥る前まで進んで来た。
有島武郎 / 或る女
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胸で悲しみを感じるときの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
胸の中に、するすると音もなく、幾つもの小さな鉛の玉のようなものが降り立ったのだ。それは本当に鉛の玉のように重たく、冷たく、わたしの肉体の奥底に沈みこんでいって、身動きが取れなくなった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
なつかしさが胸にこみ上げ、その姿形のすべてが心の中にある思い出の像と焦点を合わせる。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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焼き捨てたように古藤の事なんぞは忘れてしまって
有島武郎 / 或る女
その声は今でも耳の奥に響いている。
阿刀田 高 / ゴルフ事始め「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
最後の最後の時には、みなさん人間として一番純粋な部分だけを残して、あとは空白になってしまうんですね。性別とか個性とか社会的地位とか、他人から自分を区別する要素なんて無意味になるんですよ。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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