TOP > 感覚表現 > 音の響き > 小さな音・不鮮明な音
誰か大声で叫んで、右舷のデッキを走って行った。その声が強い風にすぐちぎり取られて、意味のない叫び声のように聞こえた。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:26% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
小さな音・不鮮明な音
強風・暴風
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......ように、無数に三角形に騒ぎ立った。風が急にマストを鳴らして吹いて行った。荷物にかけてあるズックの覆 いの裾 がバタバタとデッキをたたいた。 「兎が飛ぶどオ――兎が!」誰か大声で叫んで、右舷のデッキを走って行った。その声が強い風にすぐちぎり取られて、意味のない叫び声のように聞こえた。 もう海一面、三角波の頂きが白いしぶきを飛ばして、無数の兎があたかも大平原を飛び上っているようだった。――それがカムサツカの「突風」の前ブレだった。にわかに底......
単語の意味
叫ぶ・号ぶ(さけぶ)
大声(おおごえ・たいせい)
叫ぶ・号ぶ・・・1.何かを訴えるために、大きな声を出す。大声を発する。大声で言う。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
2.世間に向かって強く主張する。強く訴える。
ここに意味を表示
小さな音・不鮮明な音の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
耳から少しでも意識をそらすと消えてしまいそうな、慎ましい音だった。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
まるで幾重にもかさねられたベールを抜けて届いてくる音のようにくすんで聞こえた。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
強風・暴風の表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
今にも風で吹き落とされそうに、星が危なっかしく空に光っている
山本 有三 / 波 amazon
このカテゴリを全部見る
「音の響き」カテゴリからランダム5
からだじゅうを耳のようにしていた。
有島武郎 / 或る女
眠ったように静か
檀一雄 / 花筐
「風」カテゴリからランダム5
風も、どこから来たのか、どこかものすごく遠いところか、ものすごく近いところか、わからないくらいに自分を丸ごと取り巻いているように感じられる。恐ろしい臨場感だった。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
音の響き の表現の一覧
風 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ