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一軒だけ人家があって、楓 のような木が幻燈のように光を浴びている。大きな闇の風景のなかでただそこだけがこんもり明るい。
梶井基次郎 / 闇の絵巻 ページ位置:73% 作品を確認(青空文庫)
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屋内から外に洩れる明かり
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前後の文章を含んだ引用
......右手からも杉山が傾きかかる。この山に沿って街道がゆく。行手は如何 ともすることのできない闇である。この闇へ達するまでの距離は百米 あまりもあろうか。その途中にたった一軒だけ人家があって、楓 のような木が幻燈のように光を浴びている。大きな闇の風景のなかでただそこだけがこんもり明るい。街道もその前では少し明るくなっている。しかし前方の闇はそのためになおいっそう暗くなり街道を呑 み込んでしまう。 ある夜のこと、私は私の前を私と同じように提灯 なしで......
単語の意味
軒(のき)
風景(ふうけい)
軒・・・屋根の端の下にさがった部分で、建物の外壁より突き出ている部分。
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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夜 更けて、ときおり 点いたり消えたりする母親の部屋の 灯 も、小さなさざなみの青さよりもっとはかない何かを投げかけてきた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
窓も黒い幕に 遮られているがその隙間からほのかな電気の光がチラついていた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
表口の 硝子 戸が明々と光を道に投げている。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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風も凪いで、広庭の中は風景画のように森としていた。
林 芙美子 / 山中歌合「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
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