車のライトに青白く照らし出される藪や林が不気味で、こんなことなら節約せずに高速を使うべきだったと後悔していた。
吉田修一「悪人」に収録 ページ位置:37% 作品を確認(amazon)
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車のヘッドライト
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前後の文章を含んだ引用
......とにかくヘルスで一発抜いて、ラーメンを食べたあと、車で峠に差しかかった。 まだ八時を回ったばかりなのに、峠道には先を行く車はおろか、すれ違う車もなかった。正直、車のライトに青白く照らし出される藪や林が不気味で、こんなことなら節約せずに高速を使うべきだったと後悔していた。 たった一人きりの車内で紛らわしに声を張り上げて歌ってみても、逆にその声が周囲の林にすっと吸い込まれていく。 真っ暗な山中で、命綱ともいえるライトの調子がおかし......
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車のヘッドライトの表現・描写・類語(光と影のカテゴリ)の一覧 ランダム5
前を走る自動車のテールランプがたった今見た透明魚の眼のように赤くにじんで、闇に長く尾を引く。
阿刀田 高 / 透明魚「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
頭上と横とを流れるヘッドライトの光は靄のやうだったり稲妻のやうだつたりする。
丸谷 才一 / 初旅「横しぐれ (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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「光と影」カテゴリからランダム5
まぶしそうに目をしかめ
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
水たまりに赤い火影が斜めにチカチカと震えている
石坂洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
「乗り物」カテゴリからランダム5
電車が間もなく発車するという早口の簡単なアナウンスがあり、やがて旧弊な大型動物が目覚めて身震いするみたいに、ぶるぶるという大げさな音を立てて車両のドアが閉まった。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
坂の上を走ってるらしい車の音が風に送られて聞こえてくる
宇野千代 / 色ざんげ amazon
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