真の暗闇の中では自分の存在が純粋に観念的なものに思えてくる。肉体が闇の中に溶解し、実体を持たない僕という観念がエクトプラズムのように空中に浮かびあがってくる。僕は肉体から解放されているが、新しい行き場所を与えられていない。僕はその虚無の宇宙を彷徨っている。悪夢と現実の奇妙な境界線を。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
暗い・闇
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
no data
単語の意味
虚無(きょむ)
肉体(にくたい)
暗闇(くらやみ)
虚無・・・むなしいこと。人生のむなしさを意識すること。この世のありとあらゆるものに価値や意味などないと認めてしまうこと。
肉体・・・肉から構成されている体。生きている人間の体。生身の体。
ここに意味を表示
暗い・闇の表現・描写・類語(光と影のカテゴリ)の一覧 ランダム5
赤い鳥居が闇の中で夢のように暗く見えた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
完璧な闇が狡猾な水のように音もなく僕らを包んだ
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
このカテゴリを全部見る
「光と影」カテゴリからランダム5
明かりが不意に暗くなった。すぐに元に戻る。 蛍光灯の大きなほうが切れかかっているのだ。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
二十年前の、夜がちゃんと夜の色を残していた時代
宮本輝 / 二十歳の火影 amazon
同じカテゴリの表現一覧
光と影 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ