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白いペンキはいたるところでかさぶたのようにめくれあがってはげ落ち、はげ落ちた部分は雨に打たれて長いあいだに黒く変色していた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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ペンキ
ぼろい・使い古された
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前後の文章を含んだ引用
......て頭上を横切っていった。 長い時間をかけて我々がその建物に辿り着いた時、雨は既にぽつぽつと降り始めていた。建物は遠くから見るよりずっと大きく、ずっと古びていた。白いペンキはいたるところでかさぶたのようにめくれあがってはげ落ち、はげ落ちた部分は雨に打たれて長いあいだに黒く変色していた。ここまでペンキがはげ落ちてしまうと新しくペンキを塗りなおすためには古いペンキを全部はがしてしまわなくてはならないだろう。その手間を考えると他人事ながらうんざりし......
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ペンキの表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
青いペンキはあばたのように剥げ
山本 周五郎 / 青べか物語 amazon
フレイムに塗られた青いペンキは、剥げて、けば立って、枯れた造花のように巻きちぢれていた。
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
同じ画描きでも私のは個性のないペンキ屋さん
林芙美子 / 新版 放浪記
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ぼろい・使い古されたの表現・描写・類語(状態・状況のカテゴリ)の一覧 ランダム5
一寸見たのでは木か金かも知れないほど古びている。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
(使い古しのグローブ)色は褪せ、縁はすり減り、メーカーのマークは取れてなくなっていたが、決してうらぶれた様子は見せなかった。指先をあてがうだけで、するりとルートの左手の形に馴染んだ。数えきれないボールを受けてきた革の光沢は、威厳さえ感じさせた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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皿の絵が、窯(かま)から取り出したばかりのように花も葉の色も鮮やかに見える
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
芸術は運命である。一度モチーフに絡 まれたが最後、捨てようにも捨てられないのである。
岡本かの子 / 河明り
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(腐ったシュークリーム)シュークリームを二つに割った時初めて、それが特別なシュークリームだと分った。卵や砂糖やミルクの甘い匂いはどこにもなくて、熟れてないグレープフルーツのような酸っぱい匂いがした。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
吹き抜ける風の中で吹き上げられ舞っている紙屑のように自分の行方のつかめぬまま
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
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