ゴシゴシ掻 いた。垢 が乾いて、薄い雲母のように剥 げてきた。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:44% 作品を確認(青空文庫)
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垢・皮膚の汚れ
体を掻く
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前後の文章を含んだ引用
......「…………」 「日本帝国のためか、――又、いい名義を考えたもんだ」――学生は胸のボタンを外 して、階段のように一つ一つ窪 みの出来ている胸を出して、あくびをしながら、ゴシゴシ掻 いた。垢 が乾いて、薄い雲母のように剥 げてきた。 「んよ、か、会社の金持ばかり、ふ、ふんだくるくせに」 カキの貝殻のように、段々のついた、たるんだ眼蓋 から、弱々しい濁った視線をストオヴの上にボンヤリ投げてい......
単語の意味
雲母(うんも・うんぼ・きらら・きら)
垢(あか)
雲母・・・鉱物の一種。六角形の板状の形をしていて、光沢があって光を受けるとキラキラと輝く。薄いので、ナイフ等で薄くはがすことができる。英語に由来して「まいか(mica)」と呼ばれる事もある。
垢・・・皮膚の上の、汗やほこり、脂が交じってできる汚れ。
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小林多喜二 / 蟹工船
ふやけて白くなった垢が、こよりみたいに何本もめくれて落ちる
阿部 昭 / 千年 amazon
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長く伸びた十本の爪 で、血の出るほど掻きまわした。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
猫みたいにテラスの網戸をガリガリと引っかきながら
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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大粒の汗が思い出したみたいに噴き出して
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
俺の全身の毛穴が、嫌な汗で開いていく。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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雪江さんは言 ここに至って感に堪 えざるもののごとく、潸然 として一掬 の涙 を紫の袴 の上に落した。主人は茫乎 として、その涙がいかなる心理作用に起因するかを研究するもののごとく、袴の上と、俯 つ向いた雪江さんの顔を見つめていた。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
勿体らしくキチンと置き並べてある
夢野久作 / ドグラ・マグラ
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