ふいに強烈な家畜の臭いがした。峠の澄んだ冷たい夜気に、とつぜん混じった獣の臭気は、まるでクラゲのように祐一の鼻を噛んだ。
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悪臭・くさい
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前後の文章を含んだ引用
......オレンジ色のカーブミラーが照らし出される。 そのとき、トンネル方面から一台の軽トラックが近づいてきて、祐一の目の前をあっという間に走り去った。走り去ったとたん、ふいに強烈な家畜の臭いがした。峠の澄んだ冷たい夜気に、とつぜん混じった獣の臭気は、まるでクラゲのように祐一の鼻を噛んだ。 祐一は臭いから逃れてドアを閉めると、シートを倒して寝転んだ。携帯をポケットから取り出してみたが、佳乃からのメールは入っていない。代わりに画像を開くと、佳乃の下......
単語の意味
夜気(やき)
水母・海母・海月(くらげ)
夜気・・・1.夜の冷えた空気。
2.夜の静かな雰囲気や気配。
2.夜の静かな雰囲気や気配。
水母・海母・海月・・・鉢虫綱の刺胞動物の総称。海中に浮かぶ下等生物。体は寒天質で長い触手を持ち、大半が毒を持つ。種類が多い。「くらげの骨」は、あるはずのない物、きわめて珍しい物のたとえ。「水母(すいぼ)」ともいう。
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酸っぱい酒の匂いが臭くて焦々する。
林芙美子 / 新版 放浪記
生臭い魚の香は強く部屋じゅうにこもったけれども、それは荒い大海を生々しく連想させる
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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床の中には暗い酒の匂いがまだ淀んでいる
三島由紀夫 / 真夏の死 amazon
酢のような匂いが、まだ部屋中に流れているようで、私はそっと窓を開けた。
林芙美子 / 新版 放浪記
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