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部屋の中の家具に塗ってあるニスが濡れ色になって来て、銀色の金具は冷たく曇った。もうたそがれだ。
岡本かの子 / 巴里祭 ページ位置:23% 作品を確認(青空文庫)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......大きな凸眼、色素の薄くなった空色の瞳は黄ろい白眼に流れ散ってその上に幾条も糸蚯蚓 のような血管が浮き出ている。あのサムエルの眼はやがて自分の眼であるに違いない。 部屋の中の家具に塗ってあるニスが濡れ色になって来て、銀色の金具は冷たく曇った。もうたそがれだ。新吉はいつもの生理的な不安な気持ちに襲われ胃嚢 を圧 えながら寝椅子から下りた。早くアッペリチーフを飲みたいものだ。八角テーブルの上に置いてある唇草 の花が気になって......
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夕方の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
水も砂も船も一いろの紅硝子 のように斜陽のいろに透き通る明るい夕暮
岡本かの子 / 河明り
地上は草のあわいまでも紫の影に満ち、 陽 の熱の名残と、土と、水蒸気とから生れる、甘ずっぱい匂いがあたりに漂っていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
池の向こうに大きなマンションが見える。 橙色 の灯りがついている部屋にいつか住みたいと思っていた。いつも夕陽がそのマンションの裏に沈むので、橙色の部屋に夕陽がいくらかこぼれているのではないかと、おとぎ話のようなことを考えた
又吉直樹「劇場(新潮文庫)」に収録 amazon
空はまた一面に紫薔薇色の焔を挙げて深まろうとしている。闇を掻き乱そうとしている。
岡本かの子 / 巴里祭
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街並みが薄赤い炎に包まれて音もなく燃え上がるのが見える。炎は石段の下あたりから視界の 彼方 までを一瞬でのみ込んだようだ。屋根瓦や電柱や看板が一面に燃えながら透き通っていく。全部のビルの屋上から高々と火柱が上がる。まるで天上の風景のように美しいと十和子は思う。果てしない砂漠を覆い尽くして、タマリスクの赤紫色の花がいっせいに開いたよう。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
やがてすっかり夜があけ、とても広いハワイ島の大地を、太陽がふんだんに照らしはじめた。《…略…》低く茂る緑が光に包まれて輝いて見えた。遠くの山々の連なりも朝の光で生まれ変わるような輝きを見せていた。
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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