とうもろこしは、一本で平均十六列、一列の粒数約三十五粒である。(粒の総数は必ず偶数だそうだ)
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 ページ位置:17% 作品を確認(amazon)
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とうもろこし
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......熱いときは、「アッチッチ」と言ったりしなくてはならない。 この時期は作業のわりに収穫も少なく、事業でいうと、設備投資、基礎づくり初期苦闘時代ということになる。 とうもろこしは、一本で平均十六列、一列の粒数約三十五粒である。 大変ではあるが、最初の一列を苦労してほじくり出してしまえば、あとの十五列は楽にはずすことができる。 左手にとうもろこしを持ち、右手の親指のハラのところを溝の左......
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(とうもろこしの実を手ではずして食べる)左手にとうもろこしを持ち、右手の親指のハラのところを溝の左側の一列に押しあて、溝側に押し倒すと、粒はバラバラと倒れて手に残る。一回の押し倒しで、五、六粒の収穫があるからこれを口のところに持っていき、上向きかげんに口を開けてそこへパラパラと落としていく。 湿って軟らかく暖かい穀物の粒が、ポタポタポタと舌の上に落下する感触がこころよく、とうもろこし独特の雰囲気をかもしだす。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 amazon
(とうもろこしをかぶりついて食べる)大抵の人は、中央どまん中というあたりにかぶりついてその辺一帯をけずり取る。そして次々にけずり取っては空き地を造成していく。このへんは、古い住宅をシャベルカーでけずり取っていく地上げ屋に似ている。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 amazon
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