山の木が折れる音が聞こえてくる。パキン、パキンと、呆気ないほど鋭く澄んだ音をこだまさせるんだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:10% 作品を確認(amazon)
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折る・畳む
枝
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前後の文章を含んだ引用
......うらやましそうに言った。 恥ずかしさと痛みで半泣きになりながら、ほんとに帰りたい、と俺は思った。 春が近づいてから降る雪は湿って重い。 夜、布団のなかにいても、山の木が折れる音が聞こえてくる。パキン、パキンと、呆気ないほど鋭く澄んだ音をこだまさせるんだ。 それを耳にすると、たまらない気持ちになる。いますぐ山へ飛んでいって、若木を雪起こししてやんなきゃ。そんな、居ても立ってもいられない気持ちになる。 同時に、哀し......
単語の意味
木霊・谺(こだま)
木霊・谺・・・1.木に宿る霊。木の精霊。
2.(1が応えるものと考えられて)音や声が山や谷などの側面ぶつかって跳ね返ってきて聞こえる現象。山彦(やまびこ)。
2.(1が応えるものと考えられて)音や声が山や谷などの側面ぶつかって跳ね返ってきて聞こえる現象。山彦(やまびこ)。
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折る・畳むの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
診断書を、子供が千代紙(ちよがみ)でも扱うように細かく丹念に折り畳んで
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
(スケッチブックを)粉薬を飲む時の要領でそれを半折りにした。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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枝の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
すっかり葉の落ちた枝々《…略…》は、素裸かになって繊細な神経をさらけだしているかのようだ。
北 杜夫 / 狂詩「北杜夫全集 第1巻 牧神の午後」に収録 amazon
錯雑した枝と枝とは網の目になり壁になり軒になって
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
ペンで描いたような裸の梢
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
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両手でうけとめると、それを胸のところにもって行って女をだくかのように大事にだきとる
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
窓枠に肘をついて、こめかみに指先をじっと押しつけていた。彼女はまるで眠りこんでしまったみたいに静かに瞼を閉じていた。時々まつげが微かに上下に動き、唇が小さく震えるだけだった。たぶん体の中で泣いているんだろうと僕は思った。声も涙も出さずに泣いているのだ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
飢えた狼のように貪り飲んだ。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
ソファを牝鹿 のように立ち上がって
有島武郎 / 或る女
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