TOP > 暮らしの表現 > 世間・世界・社会 > パラレルワールド
パラレルワールドの表現・描写・類語(世間・世界・社会のカテゴリ)の一覧 ランダム5
あり得たかもしれない、まったく別世界の、別の人生
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
(パラレルワールドに入り込む)どこかの時点で私の知っている世界は消滅し、あるいは退場し、別の世界がそれにとって代わったのだ。レールのポイントが切り替わるみたいに。つまり、今ここにある私の意識はもとあった世界に属しているが、世界そのものは既に別のものにかわってしまっている。そこでおこなわれた事実の変更は、今のところまだ限定されたものでしかない。新しい世界の大部分は、私の知っているもともとの世界からそのまま流用されている。だから生活していくぶんには、とくに現実的な支障は(今のところほとんど)ない。しかしそれらの「変更された部分」はおそらく先に行くにしたがって、更に大きな違いを私のまわりに作り出していくだろう。誤差は少しずつ膨らんでいく。そして場合によってはそれらの誤差は、私の取る行動の論理性を損ない、私に致命的な過ちを犯させるかもしれない。もしそんなことになったら、それは文字通り命取りになる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
このカテゴリを全部見る
「世間・世界・社会」カテゴリからランダム5
午前中からたて続けに三本の映画を観てしまった。エンディングの途中で耐え切れなくなって、次のDVDかビデオに交換する。それが終わるとまた次。いつもそんな調子だ。何本観たって結局は同じ。いずれ色鮮やかな夢から覚めれば、そこは狭くて薄暗いおなじみの牢獄のなかというわけだ。けれどもこの閉ざされた場所では、夢を見ることのほかに、つまり映画を観ることのほかに、いったい何ができるだろう?
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
世間・世界・社会 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ