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画描きらしく、眼を細めて空の色調を眺め取りながら、 「見ろ、夕月。いい宵だな」 といって、
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:2% 作品を確認(青空文庫)
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芸術家肌
夕方
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前後の文章を含んだ引用
......。かの女は悩ましそうに、帽子の鍔 の反りを直して、吐き出すように自分に云った。 「つまりむす子も親もあの都会に取り憑 れているのだ」 やっと、逸作が玄関から出てきた。画描きらしく、眼を細めて空の色調を眺め取りながら、 「見ろ、夕月。いい宵だな」 といって、かの女を急 き立てるように、先へ潜 り門を出た。 かの女と逸作は、バスに乗った。以前からかの女は、ずっと外出に自動車を用いつけていたのだが、洋行後は時々バスに乗るよ......
単語の意味
色調(しきちょう)
宵(よい)
夕月(ゆうづき)
色調・・・色の濃い、薄い、明るい、暗いといった具合。色のトーン。
宵・・・日が沈んでまだ間もないころ。夜が始まったばかりのころ。
夕月・・・夕方の空に見える月。宵月(よいづき)。
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芸術家肌な性格の表現・描写・類語(性格・態度のカテゴリ)の一覧 ランダム5
逸作は人生の寂しさを努めて紛らすために何か飄逸 な筆つきを使う画家であった。
岡本かの子 / 雛妓
芸術家は飽くまでも革命家でなければならない。創造でなければならない。
岡本かの子 / 母子叙情
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夕方の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
夕方だった。それぞれの家の中に青が入ってきて、電気をつけさせるころ。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
完全に暮れきっていない空は、濃い紫で、西の山際は、まだほのかに明るかった。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
改札口から一緒に流れてきた人影が減ってゆくのと合わせて、残り少ない陽の光がどんどん薄い闇に吸い込まれてゆく。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
とっぷりと暮れてゆく濃紺の夕方、薄暗い街灯の明かりと、その向こうに重なるように見えていた黄色い半月に気を取られて足を踏みはずした。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
彼はしばらく空から降るような冷気の中で立ち止まり、また足を速めた。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
「性格・態度」カテゴリからランダム5
(自分は精神異常かも人生を振り返る)私が生まれてこのかた辿ってきた人生の合法的な部分だって、お世辞にもまともとは言えない。汚れた洗濯物を押し込めるだけぎゅうぎゅう押し込んだトランクみたいなものだ。その中には、一人の人間を精神異常に追い込むに足る材料がじゅうぶんに詰め込まれている。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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