煤を溶かしたようなどす黒い空気

長らく人が立ち入っていない蔵のような陰鬱で黴（かび）臭い空気

空気まで冷え冷えとざらつくような人工島の夕暮れ

主に窒素と酸素で構成される地球周辺をとりまく混合気体

若い豹の毛皮にでも包まれているような、精悍で優婉な肌触りの空気

空気が厳しく冷ややかに澄む

笑わせるというのは、空気を作ること

四人でごはんを食べていると、じわっとしたなんとも言えないくつろぎを感じた。家族的な雰囲気と、自分がここにいるのがしみじみと求められていて居心地がいい感じだった。

あたりの空気が重みをもっていて、四方から圧し縮まってくるような息苦しさ

（閉店後のバー）換気装置やエア・コンの音も消えている。長い年月をかけて床や壁に浸みこんだ匂いだけが微かに空気の中に漂っていた。 《…略…》客席の空気は暗がりの中で幾つかの層にわかれたまま淀んでいるようだった。