喫茶「瑪瑙」はあまり陽光のさしこまない一階のみの広く平べったい店内で、昼間なのにもう店の天井の明かりが点いていた。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 ページ位置:46% 作品を確認(amazon)
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店内の雰囲気
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前後の文章を含んだ引用
......、仕事を覚えるのと過酷な長い勤務時間にすべてを費やしたせいで、亜美ちゃんとはほとんど会っていなかった。亜美ちゃんは郵便局はすぐに辞め、いまは無職のはずだった。 喫茶「瑪瑙」はあまり陽光のさしこまない一階のみの広く平べったい店内で、昼間なのにもう店の天井の明かりが点いていた。一番奥の隅の席にいた亜美ちゃんは、さかきちゃんが店に入ってくると手を振った。白いブラウスに砂色のショートパンツを穿いている。今年の夏はまったく外に出ていないんじ......
単語の意味
陽光(ようこう)
瑪瑙・碼碯(めのう)
陽光・・・空から降り注ぐ、太陽の光。日光。
瑪瑙・碼碯・・・宝石のひとつ、アゲートの和名。石英(せきえい)・玉髄(ぎょくずい[=微細な石英が集まり固形化した鉱物])・タンパク石の混合物で、赤褐色や白色などの縞(しま)模様をしている。名前の由来は、石の外観が馬の脳に似ることから。硬度7。
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店内の雰囲気の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ある日の晩大町という所を散歩していたら郵便局の隣に蕎麦とかいて、下に東京と注を加えた看板があった。《…略…》東京と断わる以上はもう少しきれいにしそうなものだが、東京を知らないのか、金がないのか、めっぽうきたない。畳は色が変わっておまけに砂でざらざらしている。壁は煤でまっ黒だ。天井はランプの油烟でくすぼってるのみか、低くって、思わず首を縮めるくらいだ。ただ麗々と蕎麦の名前をかいて張りつけたねだん付だけはまったく新しい。なんでも古いうちを買って二、三日まえから開業したに違いなかろう。
夏目 漱石 / 坊っちゃん amazon
(テラス席)紫色やレモン色の室内の灯を背景に、道路まで並べ出されたキャフェの卓
岡本かの子 / 母子叙情
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店主も客も居るとこを見たことのない判子屋
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
生牡蠣を見るような、すべてが薄青く薄白い半透明さの室内がひっそりと静まり返る
永井 龍男 / 青梅雨 amazon
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