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呉一郎の眼の光りを、自分の眼の光りで押し返して、その瞳孔の底に押し込むかのように……。こうして二人は眼と眼を合わせたまま暫くの間動かなかった。
夢野久作 / ドグラ・マグラ ページ位置:65% 作品を確認(青空文庫)
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目が合う・見詰め合う・視線がぶつかる
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前後の文章を含んだ引用
......かった呉一郎の両手を無雑作に取って引き寄せながら、顔と顔を一尺位に近寄せて瞳と瞳とをピッタリと合わせた。その瞳の底を覗き込みつつ何事かを暗示するかのように……又は呉一郎の眼の光りを、自分の眼の光りで押し返して、その瞳孔の底に押し込むかのように……。こうして二人は眼と眼を合わせたまま暫くの間動かなかった。 そのうちに正木博士の表情が、どことなく緊張して来た。……立ち会っている紳士たちの表情も、それにつれて緊張して来た。 しかしその中で若林博士だけは眉一つ動か......
単語の意味
瞳孔(どうこう)
暫く・姑く・須臾(しばらく)
瞳孔・・・瞳にある、光を取り入れる孔(あな)。光線が目玉の中にはいる、入り口。眼球の虹彩に囲まれている丸い穴。「孔」は、訓読みで「あな」と読める。
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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ピアノをやめることを惜しいとは思わなかったの? あと一歩というところまで行ったのに」 ミュウはその答えを逆に求めるように、すみれの目をじっとのぞき込んだ。深くまっすぐな視線だった。その一対の瞳の底では、急流の中のよどみのように、いくつかの無言の流れがせめぎあっていた。それらの流れが巻き起こしたものが、本来の場所に落ちつくのにいくらか時間がかかった。 「余計なことをきいてごめんなさい」とすみれは謝った。 「それはいいのよ。ただわたしにもまだうまく話せないだけ」
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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物珍しくながめて魅入られたように茫然 となってしまう。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
黙ったまま 虚空 の一点を見つめていました。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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