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僕たちが共有しているものは、ずっと昔に死んでしまった時間の断片にすぎなかった。それでもその暖い想いの幾らかは、古い光のように僕の心の中を今も彷徨いつづけていた。そして死が僕を捉え、再び無の坩堝に放り込むまでの束の間の時を、僕はその光とともに歩むだろう。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:90% 作品を確認(amazon)
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思い出・思い出に浸る
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......に起ったことさ。ただ消えてしまったんだ。 辛い? いや、と僕は首を振った。無から生じたものがもとの場所に戻った、それだけのことさ。 僕たちはもう一度黙り込んだ。僕たちが共有しているものは、ずっと昔に死んでしまった時間の断片にすぎなかった。それでもその暖い想いの幾らかは、古い光のように僕の心の中を今も彷徨いつづけていた。そして死が僕を捉え、再び無の坩堝に放り込むまでの束の間の時を、僕はその光とともに歩むだろう。 もう行った方がいいわ、と彼女が言った。 確かに冷気は耐え難いほどに強まっていた。僕は身震いして煙草を踏み消した。 会いに来てくれてありがとう、と彼女は言った。......
単語の意味
彷徨(ほうこう)
坩堝(るつぼ)
彷徨・・・行くあてもなく歩きさまよう事。うろうろすること。
坩堝・・・1.物質を溶かしたり高温処理するときに使う、耐熱性の容器。
2.興奮や熱狂した雰囲気がその場を支配したさま。「スタンドは興奮の坩堝と化す」
3.色々なものが混ざり合っていること。「アメリカは人種の坩堝」
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