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族に流れている無形な逞 しいものが、かの女を一族の最後の堡塁 として、支えているとしか思えなかった。それは既に本能化したものである。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:80% 作品を確認(青空文庫)
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欲望・本能・欲求
血は争えない(親から受け継いだ性質)
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前後の文章を含んだ引用
......は不思議である。そして、芸術という正体の掴 み難いものに、娘時代同様、日夜、蚕が桑を食 むように噛 み入っている。 逸作には、人間の好みとか意志とかいうもの以上に、一族に流れている無形な逞 しいものが、かの女を一族の最後の堡塁 として、支えているとしか思えなかった。それは既に本能化したものである。盲目の偉大な力である。今や、はね散って、むす子の上に烽火を揚げている。逸作は実に心中讃嘆 し度 いような気持もあり乍 ら、口ではふだんからかの女に「芸術餓鬼」などとあ......
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欲望・本能・欲求の表現・描写・類語(好きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
言い放ちたい気持ちを熱い石のように抱く
黒井 千次 / 春の道標 amazon
いてもたってもいられなかったあの日の衝動は、田舎の人が「東京に出たい、東京に行きさえすれば何とかなる」と思う気もちと似ているだろうか?
吉本 ばなな / 血と水「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
手綱を引き締めても引き締めてもはね出す奔馬のように、抑えようがない欲求
佐多 稲子 / 素足の娘 amazon
食欲がふわりとふわりと身体の中を動く
中沢 けい / 野ぶどうを摘む amazon
とどきますか、とどきません。光りかがやく手に入らないものばかり見つめているせいで、すでに手に入れたものたちは足元に転がるたくさんの屍になってライトさえ当たらず、私に踏まれてかかとの形にへこんでいるのです。とどきそうにない遠くのお星さまに向かって手を伸ばす、このよくばりな人間の性が人類を進化させてきたのなら、やはり人である以上、生きている間はつねに欲しがるべきなのかもしれない。みんなの欲しがる気持ちが競争を生み、切磋琢磨でより質の高いものが生みだされていくのですね。でも疲れたな。まず首が疲れた。だってずっと上向いてるし。いつからだろう、さらなる飛躍という言葉が階段を駆けのぼるイメージではなくなり、遠くで輝くものを飛び上がってつかみ取り、すぐに飽きてまるきり価値のないものとして暗い足元へ放る、そしてまた遠くへ向かって手を伸ばす、そのくり返しのイメージに変わってきたのは。
綿矢 りさ / 勝手にふるえてろ amazon
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あいつもだんだんお袋に似てくるな、と僕は思った。女というのはまるで鮭みたいだ。なんのかのと言ったって、みんな必ず同じ場所に戻りつくのだ。
村上春樹 / ファミリー・アフェア「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
実際に臨むといやにへえへえする。主人のおやじはその昔場末の名主であったから、上の者にぴょこぴょこ頭を下げて暮した習慣が、因果となってかように子に酬 ったのかも知れない。まことに気の毒な至りである。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
争えないものは、血すじだ、親から生みづけられている人間の血の運命だ。
吉川英治 / 無宿人国記
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