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ひとみ揶揄やゆするように陽の反射の斑点はんてんが、マントルピースの上の肖像画の肩のあたりにきろきろして、かの女の視線をうるさがらしていた。《…略…》そのきろきろする斑点を意固地いこじに見据えて、ついでに肖像画の全貌ぜんぼうをも眺め取った。幸い陽の斑点は光度が薄かったので、肖像画の主人公の面影を見て取ることが出来た。
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:70% 作品を確認(青空文庫)
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室内に差し込む光
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前後の文章を含んだ引用
......諦あきらめ兼ねた。窓の外の木々の葉のささやきを聴きながら、かの女はしばら興醒きょうざめた悲しい気持でいた。すると何処かで、「メー」と山羊やぎが風をよろこぶように鳴いた。  さっきから、かの女のひとみ揶揄やゆするように陽の反射の斑点はんてんが、マントルピースの上の肖像画の肩のあたりにきろきろして、かの女の視線をうるさがらしていた。窓外の一本太い竹煮草たけにぐさの広葉に当った夕陽から来るものらしかった。かの女はそのきろきろする斑点を意固地いこじに見据えて、ついでに肖像画の全貌ぜんぼうをも眺め取った。幸い陽の斑点は光度が薄かったので、肖像画の主人公の面影を見て取ることが出来た。金モールの大礼服をつけた額の高い、鼻が俊敏に秀でている禿齢の紳士であった。フランスひげ両顎りょうあご近くまで太くひねっているが、規矩男の面立ちにそっくりだった。  かの女はつ......
単語の意味
斑点(はんてん)
意固地(いこじ)
視線(しせん)
マントルピース(まんとるぴーす)
斑点・・・ぶつぶつ模様。たくさん散らばった小さな点。
意固地・・・頑なに自分の考えや行いを押し通そうとすること。また、そのさま。意地っ張り。片意地。依怙地(いこじ・えこじ)。
視線・・・目と、目が見ようとしているモノとを結ぶ線。目が見ている方向。見つめている方向。
マントルピース・・・壁に作りつけた暖炉の上の飾り棚。暖炉を含めた全体を言うことが多い。シュミネ。
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室内に差し込む光の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
部屋いっぱいに差した冬の日差しが曇り、そしてまた明るくなった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
日はうららかに川面を射て、八畳の座敷は燃えるように照った。
谷崎 潤一郎 / 刺青「刺青・秘密 (新潮文庫)」に収録 amazon
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山の端から朝日が昇る。湖の町を、太陽の光が順番に洗っていく。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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