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倉地にとっては葉子はだんだんと用のないものになって行きつつある。絶えず何か目新しい冒険を求めているような倉地にとっては、葉子はもう散りぎわの花に過ぎない。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:78% 作品を確認(青空文庫)
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心変わり・熱が冷める
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前後の文章を含んだ引用
......一時間ごとにもどんどん弱って行くのが身にしみて知れるにつけて、倉地のどこにも批点のないような頑丈 な五体にも心にも、葉子はやりどころのないひがみと憎しみを感じた。倉地にとっては葉子はだんだんと用のないものになって行きつつある。絶えず何か目新しい冒険を求めているような倉地にとっては、葉子はもう散りぎわの花に過ぎない。 看護婦がその室 を出ると、倉地は窓の所に寄って行って、衣嚢 の中から大きな鰐皮 のポケットブックを取り出して、拾円札のかなりの束を引き出した。葉子はそのポケットブッ......
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欲は状況によって、とても簡単に水位が変動します。水面に浮かんだアヒルのおもちゃは、海ほど水が多ければもちろん浮きますが、かと言って栓を開けてしばらくたち、お湯があらかた抜けた湯船にも、黄色いおしりを浴槽の床にこすらせながら、かろうじて浮きます。絃と話すことによってお湯はほんの少し足されただけでしたが、心のなかでアヒルのおもちゃはぷかぷか浮いていました。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
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埒もない空想が、空に浮ぶ白い雲のように去来する
福永 武彦 / 風のかたみ amazon
わたしはずっと天使のようにいちずに願い続けている。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
頭に風が吹き込むような感触があり、上半身が震えた。寒気が走った。目をぎゅっと閉じ、数秒してから、開く。 女の(亡霊の)姿は消え、周囲の世界が復元している。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
夢野久作 / ドグラ・マグラ
もう他には何も聞けなくなった。ふいに、頭の中からあらゆる言葉が失われたような気持ちになって、呆然とした。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「どうでもいいわ」……小初はすべてをぶん流したあとの涼やかさを想像した。
岡本かの子 / 渾沌未分
持てる忍耐力を総動員して、財前は丁寧な口調で続けた。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
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