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ただ、朝から晩まで二階の三畳のこたつにもぐって、古雑誌なんか読んで阿呆同然のくらしをしている
太宰治 / 人間失格 ページ位置:53% 作品を確認(青空文庫)
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だらだら暮らす
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前後の文章を含んだ引用
......、つまり、女の後を追ってまた海へ飛び込んだりする危険があると見てとっているらしく、自分の外出を固く禁じているのでした。けれども、酒も飲めないし、煙草も吸えないし、ただ、朝から晩まで二階の三畳のこたつにもぐって、古雑誌なんか読んで阿呆同然のくらしをしている自分には、自殺の気力さえ失われていました。 ヒラメの家は、大久保の医専の近くにあり、書画骨董商、青竜園、だなどと看板の文字だけは相当に気張っていても、一棟二戸......
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年寄りと二人で暮らすというのは、ひどく不安なことだ。《…略…》私は、いつもいつでも「おばあちゃんが死ぬのが」こわかった。《…略…》私は心の中でいつも、たったひとりの家族を気にかけていた。 部屋のすみに息づき、押してくるそのぞっとするような静けさ、子供と年寄りがどんなに陽気に暮らしていても、埋められない空間があることを、私は誰にも教えられなくてもずいぶん早くに感じとった。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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