石油ストーブの炎だけが部屋の白い壁に奇妙に間のびした淡い影を作り出していた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:80% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
揺れる炎・ともし火
ストーブ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......芯から指先までがしびれていた。皮膚をとおしてインク色の夕闇が体にしみこんでいるような気がする。 雨はもうやんでしまったらしく、ガラス越しに夜の鳥の声が聞こえた。石油ストーブの炎だけが部屋の白い壁に奇妙に間のびした淡い影を作り出していた。僕はソファーから立ちあがってフロア・スタンドのスイッチを点け、台所に行って冷たい水をグラスに二杯飲んだ。ガス台の上にはクリーム・シチューの入った鍋がのっていた。......
単語の意味
淡い(あわい)
淡い・・・味や色や香りなどが薄い。光や形がぼんやりしている。
ここに意味を表示
揺れる炎・ともし火の表現・描写・類語(光と影のカテゴリ)の一覧 ランダム5
暗い中に、ガスの火がおとぎ話の火のようにもえている。
丹羽 文雄 / 顔 amazon
このカテゴリを全部見る
ストーブの表現・描写・類語(家電のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ストーブの上のやかんから絶え間なく蒸気が吹き出していた。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
小さなストーブに煙の多い石炭がぶしぶし燃えて
有島武郎 / 或る女
レモンを輪切りにしたような電気ストーヴが赤く愉しく燃えていて
林芙美子 / 新版 放浪記
青銅の電気ストーブが私の背後 に真赤になっていた。
夢野久作 / あやかしの鼓
このカテゴリを全部見る
「光と影」カテゴリからランダム5
夜霞に光を奪われた明かりが、シミのようにぽつんぽつんと闇の中に浮いている
内田百閒 / 烏「冥途」に収録 amazon
後のことは後で考えよう、ずっとそうやって生きてきたんだから。 逆光に透ける髪と、肩の線が物語っていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
「火・煙・灰」カテゴリからランダム5
小屋は今は太い火束となって、盛んに燃えていた。火の中から、しゅるしゅると水の流れるような音が、聞えて来た。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
「家電」カテゴリからランダム5
プレイ・ボタンを押すと機械は身振いでもするように一連の音を立てて
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
剃刀が、銀色の虫が這うようにしてなだらかな肌を這い下る
谷崎 潤一郎 / 痴人の愛 amazon
ひと冬軽く越せるような食料が並ぶ巨大な冷蔵庫
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
光と影 の表現の一覧
火・煙・灰 の表現の一覧
家電 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ