(火傷のあと)その肉のひきつりはカンナの 葩 のような形をしていた。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 ページ位置:3% 作品を確認(amazon)
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火傷(やけど)
傷あと・手術あと
花
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前後の文章を含んだ引用
......てはいるが、いわゆる骨組の逞しい体だ。私のように虚弱な男は同性の体格にたえず劣等観念を抱くのである。マスターの右肩には直径十センチほどの火傷らしい傷あとがある。その肉のひきつりはカンナの葩のような形をしていた。「あんたの女房は妊娠らしいなあ」「はあ」「この間、駅の方を歩いているのを見たが、随分、くるしそうだったね」「この辺にいい医者がいますか」 私は勝呂医師でない医者......
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火傷(やけど)の表現・描写・類語(肌の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
男の顔にある 火傷 のあとをそっと見た。左の耳が 熔けたようになってちぎれていた。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
火傷の部分に剃刀でも走らせたような疼痛が走った
椎名 麟三 / 美しい女 amazon
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傷あと・手術あとの表現・描写・類語(肌の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
二度も切っているので無残な痕だった。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
まるでチャックか蜈蚣を想像するそのかたち
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
盲腸のあたりに 蜜柑 の種子ほどの小さな突起というか引っつれがあった。
向田邦子 / 三枚肉「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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花の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(マロニエの花)街路樹の黒く茂った葉の中に、蝋燭 を束ねて立てたような白いほの/″\とした花
岡本かの子 / 巴里祭
処女の眸(ひとみ)を見開いたような野薔薇
島崎 藤村 / 三人の訪問者 amazon
(鉢の菊は)花芯をつつんで雲のように湧きたち
中山 義秀 / 厚物咲 (1948年) amazon
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「植物」カテゴリからランダム5
(まっすぐ垂直に伸びた)木々の先には、ただ空だけがある
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
亭々とした華奢 な幹の先の思いがけない葉の繁 みを、女の額の截 り前髪のように振り捌 いて、
岡本かの子 / 河明り
あたりに漂う芳香には 揮発 性があり、あたかも生命の息吹のように、はかなく天に昇る。それゆえにあらゆる宗教的な儀式において、乳香と 没薬 は重要な役割を演じるのである。香りにはどこか霊的な働きがある。
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 amazon
「肌の状態」カテゴリからランダム5
(頭のたんこぶ)粒々した毛根を指先に感じながら、熱い汗ばんだ頭皮をさぐった感触。こんもり膨れあがっていた柔らかい瘤。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
汗は澱粉(でんぷん)をまぶしたようにさらさらしていた。
安部 公房 / 他人の顔 amazon
「火・煙・灰」カテゴリからランダム5
街の火を眺めていた。その火は、今遠く地の底から地上を呼ぶ太陽のように《…略…》感じられていたのだ。
石原 慎太郎 / 行為と死 amazon
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