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やんまが一ぴき止まって、羽を山形に垂れて動かずにいる。
森鴎外 / 阿部一族 ページ位置:20% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......鈴をつけた吊荵つりしのぶが吊ってある。その風鈴が折り折り思い出したようにかすかに鳴る。その下にはたけの高い石のいただきを掘りくぼめた手水鉢ちょうずばちがある。その上に伏せてある捲物まきもの柄杓ひしゃくに、やんまが一ぴき止まって、羽を山形に垂れて動かずにいる。  一時ひととき立つ。二時ふたとき立つ。もうひるを過ぎた。食事の支度は女中に言いつけてあるが、しゅうとめが食べると言われるか、どうだかわからぬと思って、よめは聞きに行こうと思いながらためら......
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落莫とした秋
林芙美子 / 新版 放浪記
絹を張ったような秋空が拡がっていた。
浅田次郎 / 伽羅「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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