木の芽 の色、玲瓏 な空、もえる陽炎 、まことに春らしい山村の春。
吉川英治 / 増長天王 ページ位置:1% 作品を確認(青空文庫)
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春
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前後の文章を含んだ引用
......思うと寒い筈だが、案外冷たい風もなく、南勾配 を選 って山歩きをしていると草萌頃 のむしむしとする地息に、毛の根が痒 くなる程な汗を覚える。 天明 二年の春さきである。 木の芽 の色、玲瓏 な空、もえる陽炎 、まことに春らしい山村の春。 肥前鍋島家 の役人、山目付 の鈴木杢之進 という色の黒い侍 、手に寒竹 の杖 をもち、日当たりのいい灌木 の傾斜を、ノソリ、ガサリ、と歩いている。 「どうも、さっぱり面白くな......
単語の意味
玲瓏(れいろう)
陽炎(かげろう・ようえん)
玲瓏・・・1.宝石や金属が触れ合ったときのように、澄みきった美しい音や声を立てるさま。
2.宝石のように、美しく澄みきっているさま。
「玲」は「玉(=宝石)の涼しげに鳴る音の形容」につかう字。「瓏」は「玉が触れ合って鳴る明らかな音」や「明らかなさま」をあらわす字。
2.宝石のように、美しく澄みきっているさま。
「玲」は「玉(=宝石)の涼しげに鳴る音の形容」につかう字。「瓏」は「玉が触れ合って鳴る明らかな音」や「明らかなさま」をあらわす字。
陽炎・・・春や夏の穏やかな日に、透明の炎のような揺らめきが地面からユラユラと立ちのぼる現象。局所的に密度の違う空気が混じることで、光が異常屈折して起こる。
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札幌の六月は素敵な季節だった。雪解けはずっと前に終わり、ほんの数ヶ月前には固く凍えていた大地は今は黒々として、柔らかな生命の息吹をたたえていた。木々は青い葉をいっぱいに茂らせ、清潔で優しい風がその葉を揺らせていた。空は高く透き通り、雲は輪郭をくっきりとさせていた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
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