ゆっくりなめらかに掃除機の柄をスライドさせて、隅を掃除するときは壁にぶつけたりしないで、ぴったり角に掃除機の頭の角をはめて、掃除機が細かい音をたてながらごみを吸い込んでいくのを楽しむみたいにゆっくり動かして、一回で吸い込みつくす。あれって素敵。掃除機ってうるさいし、うまくついてこないし、椅子に引っかかったりすると、ホースを引っ張って力技で近くに寄せちゃったりするものなのに、あなたはよく訓練した犬みたいに掃除機をついてこさせて、とても静かに掃除するから、官能的な趣きさえあるよ
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:17% 作品を確認(amazon)
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......さつにさせるじゃない? ダイソンとか、高いの買えばそうでもないんだろうけどねえ。各国共通じゃない、映画でもアメリカ人は電話をかけながら乱暴に動かしてる。でも絃はゆっくりなめらかに掃除機の柄をスライドさせて、隅を掃除するときは壁にぶつけたりしないで、ぴったり角に掃除機の頭の角をはめて、掃除機が細かい音をたてながらごみを吸い込んでいくのを楽しむみたいにゆっくり動かして、一回で吸い込みつくす。あれって素敵。掃除機ってうるさいし、うまくついてこないし、椅子に引っかかったりすると、ホースを引っ張って力技で近くに寄せちゃったりするものなのに、あなたはよく訓練した犬みたいに掃除機をついてこさせて、とても静かに掃除するから、官能的な趣きさえあるよ」 絃は疲れを深くさせた瞳で一度だけうなずいた。私が励まそうとしたことにさえ気づいていない。気がつかなくて当然かも。私は思いついたまま脈絡のない掃除機の話を始め......
単語の意味
趣(おもむき)
犬・狗(いぬ)
趣・・・しっとりと落ち着いて、心惹かれる特徴や雰囲気。そのものがもっている、自然とかもし出される(いい)雰囲気。ずいぶん昔のものなのに、手入れがされているさま。風情(ふぜい)。
犬・狗・・・1.イヌ科の哺乳動物。大昔から人間に飼育されてきた家畜。従順で賢く、家やヒツジの番をしたり、犯人捜査や目や耳の不自由な人の導いたりもできる。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
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掃除するの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ゆっくりなめらかに掃除機の柄をスライドさせて、隅を掃除するときは壁にぶつけたりしないで、ぴったり角に掃除機の頭の角をはめて、掃除機が細かい音をたてながらごみを吸い込んでいくのを楽しむみたいにゆっくり動かして、一回で吸い込みつくす。あれって素敵。掃除機ってうるさいし、うまくついてこないし、椅子に引っかかったりすると、ホースを引っ張って力技で近くに寄せちゃったりするものなのに、あなたはよく訓練した犬みたいに掃除機をついてこさせて、とても静かに掃除するから、官能的な趣きさえあるよ
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
掃除機の音ってうるさいから、どうしても人をいらつかせてがさつにさせるじゃない?
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
投げ出した掃除機の吸い込み口が裏返っていて、回転ブラシにも無数の髪の毛ががんじがらめに巻きついている
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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