小指の先ほどのちんぽこ

僕が三番目に寝た女の子は、僕のペニスのことを「あなたのレーゾン・デートゥル（存在理由）」と呼んだ。

彼のペニスは勃起する徴候を見せなかった。それは今のところ安寧の泥の中に静かに身を横たえていた。《…略…》天吾のペニスは背中を指でとんとんとつつかれ、泥の中での穏やかな眠りから目覚めたようだった。それはひとつあくびをし、そろそろと頭をもたげ、徐々に硬度を増していった。そしてやがて、まるでヨットが北西の方向から吹いてくる確かな順風を受けてキャンバスの帆を張るように、留保のない完全な勃起に至った。

長いペニスが意識を失った生き物のようにだらしなく下に垂れている。

（風呂場で）水につけたゴボウの切れ端みたいなペニスをぶらさげた祖父

彼女の背中に口を付けた。彼の瞳はうっとりとしたようすで、口許は溶け始めたチョコレートのように 緩んで唾液を引き摺っている。

男の唇と指が同時に動き出し、女は熱い体温にすっぽり包まれる。女は大きな流れに身をまかそうと決めた。

（少女と中年男性の前戯）自分の手が汚れてがさつなものに思える。ためらいながら、おそるおそる手をおろして行く。 　まだ柔らかくて少ない縮毛。それを撫でつけるようにして性器に手を届かせる。

（クンニ）水溜りを撫でるような音が部屋の中に響いている。

「なんだか、あんたの下半身、不倫の匂いがするわ」 　サユリは人差し指でティエンの尻の割れ目をなぞり、彼はその指を銃口のように感じた。

（展示された鯨のペニスは）ある時にはひからびた小型のやしの木のように見えたし、ある時には巨大なとうもろこしのように見えた。もしそこに「鯨の生殖器・雄」という立て札がなければ、おそらく誰一人としてそれが鯨のペニスであるとは気づかなかったに違いない。それは南氷洋の産物というよりは中央アジアの砂漠で発掘された遺物のような趣きがあった。それは僕のペニスとも違っていたし、僕がそれまでに見たどんなペニスとも違っていた。そしてそこには切り取られたペニス特有の何かしら説明しがたい哀しみが漂っていた。

いつの間にか包皮は剥け、亀頭は露出している。まるでぎょろ目をむいてるようで極めて醜い。

子供の性器の青くさい植物みたいなやつ

（女は）彼の股間に手をやり無邪気に微笑むのである。彼は、その刺激を性欲に結びつけようとするのだが成功できずに冷汗を流す。

強靭な肉体からは想像もつかない貧弱な性器

彼は彼女が彼にむける、脇目もふらぬ愛に重荷を感じた。彼女の心から流れでてくるように思える、一筋の熱い思いが、自分の体のまわりを取り捲くのを感じ、彼はわずらわしいという思いをするのだった。

口で膣に似た動きを再現しようとする。膣の動きなど想像がつかないが、水島の喘ぎの深さを確かめながら思いつくことはすべてやってみる。膣よりも膣らしい口になろうと努める。

一夜の歓楽がさらに二人の関係を新しいものに変える。忘我の 恍惚 がさらに深く体に刻み込まれるだろう。

彼女の唇はまだ油で濡れている。そこから流れて来る息が 天蚕糸テグス のように彼の欲望を引き寄せる。

からみあう見えない網のなかにとらわれて、息苦しくなります。