手製のもりそば。

嫌味のない蕎麦

箸で持ち上げただけで切れてしまうほどのびた蕎麦

つゆへ、どっぷりと蕎麦をつけこんでしまっては、とてもとても、 「食べられたものではない」 　のである。 　あの濃いつゆへ、蕎麦の先をつけてすすりこめば、蕎麦の香りが生きて、つゆの味にとけ合い、うまく食べられる

箸を上げると、長い奴が勢揃（せいぞろ）いをして一尺ばかり空中に釣るし上げられる。迷亭先生もう善かろうと思って下を見ると、まだ十二三本の尾が蒸籠の底を離れないで簀垂（すだ）れの上に纏綿（てんめん）している。

磯の香りのするうどん

良質の粉に熱湯を入れて挽くといかにもそば粉らしい特有の香りが立つ。キチキチと快い音もする。

突然、赤い器が三つ現れた。具材の少ないシンプルな塩ラーメンは、バツがひとつもないテストの答案用紙みたいだ。

生の中華そばを買う。この店のは手製でコシが強く、防腐剤が入っていない。

ラーメンのせいで鼻の頭がてかてかしていた。