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意識のすきまのひとつひとつに、白熊でも歩いてわたれそうなほどの厚い氷をはりめぐらし、全ての思考を凍結させる
村上 春樹 / 1973年のピンボール ページ位置:61% 作品を確認(amazon)
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頭を空にする・考えない
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前後の文章を含んだ引用
......つも短かかった。暖房がききすぎた歯医者の待合室のような眠りだった。誰かがドアを開ける度に目が覚める。時計を眺める。 週の半ばに鼠はウィスキーを一人で飲みながら、全ての思考をしばらく凍結させることに決めた。意識の隙間のひとつひとつに白熊でも歩いてわたれそうなほどの厚い氷をはりめぐらし、これで週の後半を乗り切れるだろうという見通しをつけて眠った。しかし目が覚めた時には何もかもがもとどおりだった。頭が少し痛んだだけだ。 鼠は目の前に並んだ六本のビールの空瓶をぼんやりと眺める。瓶のあいだからジェイの後姿が見......
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考えちゃだめなんだ。極端な話、走るとか、泳ぐとか、そういうのでもいいくらいだ。今したいことにためらいなく足が動くように調整しとかないと、頭の筋肉が熱を持って、オーバーヒートしちゃう。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
頭脳(あたま)が水薬の空き瓶みたいになる
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
僕はしばらくのあいだ頭をからっぽにして、その空白の中に何杯かのウィスキーを注ぎこんだ。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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この部屋で横になっていると、これまであまり思いだしたことのない昔の出来事や情景が次々と浮かんできた。《…略…》僕は予想もしなかった記憶の奔流(それは本当に泉のように岩のすきまからこんこんと湧き出していたのだ)にひたりきって、直子がそっとドアを開けて部屋に入ってきたことに気づきもしなかったくらいだった。
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
人の意見に異議を唱えることはできても、自分で考えるとなると何も浮かんでこない。 お互い無口になり、時間だけが空しく過ぎ去っていった。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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