手負いの象のような気分。

病勢が機関車のように驀進する

（喘息）喉は破れた笛のように悲鳴をあげる。

押し寄せて来た心臓麻痺に、彼女は、浪打ち際に落ち散ってる、木の葉のように浚（さら）われて行った。

ちょっとやそっとじゃ治らない、かなり頑固な夜尿症

私は１日のうちにあまりたくさんの距離を移動したので何だかすべてが麻痺してしまい、目に映る何もかもが車窓の中に移りゆくのを、映画のようにただ眺めていた。

熱病患者が冷たいものに触れた時のような不快な悪寒（おかん）

それは──昼下り、突然やって来た。 　うとうとしていた私を、いきなり 鞭打ったのだ。 　胃のあたりに第一撃があり、たちまち胸の方にこみ上げる不安のようなものにあえいで目を開けると、その訳の分らないさしせまった感覚はすでに全身を圧倒して、私は大きく口をひらいていた。 咄嗟とっさ の配慮で声を出すまいとしていた。つき上げて来る焦燥の感覚に 抗って、ただ夢中で何度も大きく空気を吸いこんだ。

体は壊れかかった機械のようにギクシャクしている

生命と非生命の中間に位置するウイルス