赤点の顔
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 ページ位置:75% 作品を確認(amazon)
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みにくい顔
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......、向こうに向けた。 自分の姿がいなくなった部屋の中で、私はしゃがみこんだ。吐き気はおさまらなかった。いくら捨てても、この生身の自分の姿だけは捨てられない。一生、赤点の顔を抱えたまま生きて行かなくてはいけないのだ。 外の道路を、子供の笑い声が通り過ぎていった。私は蹲ったまま、自分の顔をせめて闇の中に押し込むように、自分の腕の中に......
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そのがむしゃらなまでのブスさかげんが逆に妙にかわいかった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
すみれは一般的な意味あいではとても美人とは言えなかった。頰がこけて、口はいささか横に広がりすぎていた。鼻は小さくて少し上を向いていた。表情は豊かで、ユーモアを好んだけれど、声をあげて笑うことはほとんどなかった。背が低く、たとえ機嫌の良いときでもつっかかるような口のきき方をした。口紅や眉ペンシルなんて生まれてから一度も手にしたことはなかったと思う。ブラジャーにサイズがあるということだって、正確に知っていたかどうかあやしいものだ。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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その顔の中には生命の伸長を中途で何ものかのために無理強いに奪い取られて、そのために、どこか歪んでいるといったようなものがあって、それが、その顔に、異常と言えるほどのエネルギーにみちた美を与えている
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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