横顔を向けて客と相対しているから例の平坦な部分は半分かくれて見えぬが、その代り鼻の在所 が判然しない。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:28% 作品を確認(青空文庫)
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平たい顔・薄い顔
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前後の文章を含んだ引用
......一人の来客との御話 最中 である。生憎 鼻子夫人の鼻がこっちを向いて池越しに吾輩の額の上を正面から睨 め付けている。鼻に睨まれたのは生れて今日が始めてである。金田君は幸い横顔を向けて客と相対しているから例の平坦な部分は半分かくれて見えぬが、その代り鼻の在所 が判然しない。ただ胡麻塩 色の口髯 が好い加減な所から乱雑に茂生 しているので、あの上に孔 が二つあるはずだと結論だけは苦もなく出来る。春風 もああ云う滑 かな顔ばかり吹いていたら定めて......
単語の意味
横顔(よこがお)
横顔・・・横向きの顔。横から見た顔。
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私の顔は、ほどほどに平凡である。祖父ゆずりの丸い鼻は低く、祖母ゆずりの唇はよく見ると厚いが、肌の白さも手伝って全体的にはのっぺりとした印象で、自分でも鏡を見ながら、葉書のようだなあと思うことがある。その上、右目は二重で左目が三重という具合に、統一感もない。《…略…》結婚して化粧をする機会が減った今は、ますます葉書感が増してきた気もする。
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横顔を向けて客と相対しているから例の平坦な部分は半分かくれて見えぬが、その代り鼻の在所 が判然しない。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
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