惚れ惚れするほど美しく光沢のあるべっこう色

山陰の象徴的な味

シャキシャキとした小気味よい歯ごたえが自慢のラッキョウ

小粒で飴色

噛めばカリッと心地いい音。熟した酢醤油の酸味とコク味に、溶け出してきたらっきょうの甘みと旨み。

ネギがしみじみうまいのは、やはり寒い季節。柔らかくて、甘みがあって、香りが何ともいえない。

青じその緑ぐらい、身辺に初夏を感じさせる野菜はあまりない。しその香りはシソ油で防腐力がある。この油の成分はペリラアルデヒドである。日本人は弥生式文化のころから、しその魅力に取りつかれていたにちがいない。奈良時代以来栽培されているが、新潟県下から、二千五百年前の土器とともに、しその種子が出土したことがある。

（千切り大根）農家の内外にはいつも干し藁や干し豆やもみや糠の匂いが漂っているが、とくに千切り大根を取り込んで来たときはあたり一帯甘くやわらかい陽の匂いが立ち、ここが桑島村であるのを綾子にしっかり実感させるのであった。

口に入れればそのまま溶けてしまいそうな柔らかさで、そうなるまで煮るのに使ったバターの匂いもする。それでいて煮崩れている訳でもなく、とにかく、パリで食べたグリーンピースは何ともいえない味だった。

シャキッとみずみずしい