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そのひとみは熱のために燃えて、おどおどと何者かを見つめているようにも、何かを見いだそうとして尋ねあぐんでいるようにも見えた。その様子はたとえば葉子を見入っている時でも、葉子を貫いて葉子の後ろの方 はるかの所にある或 る者を見きわめようとあらん限りの力を尽くしているようだった。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:77% 作品を確認(青空文庫)
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きょとんとした目つき・虚ろな眼差し
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前後の文章を含んだ引用
......の健康とでもいうべきものを思わせた。ただその両眼と口びるだけは明らかに尋常でなかった。すっかり充血したその目はふだんよりも大きくなって、二重 まぶたになっていた。そのひとみは熱のために燃えて、おどおどと何者かを見つめているようにも、何かを見いだそうとして尋ねあぐんでいるようにも見えた。その様子はたとえば葉子を見入っている時でも、葉子を貫いて葉子の後ろの方 はるかの所にある或 る者を見きわめようとあらん限りの力を尽くしているようだった。口びるは上下ともからからになって内紫 という柑類 の実をむいて天日 に干したようにかわいていた。それは見るもいたいたしかった。その口びるの中から高熱のために一種の臭気......
単語の意味
オドオド(おどおど)
オドオド・・・恐怖や不安で落ち着かないさま。
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