(着物の)糸の縫目に白い 埃 のように虱たちがじっとかくれていて
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:16% 作品を確認(amazon)
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ノミ・シラミ・ダニ
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前後の文章を含んだ引用
......でる泉のように聞えてきました。生きていることが、こんなに倖せだったとは今まで考えなかったくらいです。 小屋の横近くで腰をおろし、私とガルペとは着物をぬぎました。糸の縫目に白い埃のように虱たちがじっとかくれていて、その一匹一匹を石で押しつぶすと、言いようのない快感さえ感じます。こんな快感を警吏たちは信徒を殺すたびに味わっていたのかもしれませんね。 林の中にはまだ少し霧が......
単語の意味
虱・蝨(しらみ)
虱・蝨・・・シラミ目の昆虫の総称。哺乳動物に寄生して吸血する小形の虫。血を吸われるととてもかゆくなる。形は紡錘形で平べったく、色は灰白色、羽や目は退化してない。不潔なところに発生して、感染症の媒介をする。蚤(のみ)などと違い、宿主の体から離れると間もなく死ぬ。白虫(しらむし)。半風子(はんぷうし)。
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ノミ・シラミ・ダニの表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
山のダニはでかい。五ミリはゆうにあり、肉眼ではっきり見える。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
虱が、シャツの縫目から、細かい沢山の足を夢中に動かして、出て来る。つまみ上げると、皮膚の脂肪 ッぽいコロッとした身体の感触がゾッときた。かまきり虫のような、無気味な頭が、それと分る程肥えているのもいた。
小林多喜二 / 蟹工船
(着物の)糸の縫目に白い 埃 のように虱たちがじっとかくれていて
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
モゾモゾと小さいゼンマイのようなものが、身体の下側を走る
小林多喜二 / 蟹工船
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(ひぐらし)カナカナカナカナ 美しいから物悲しい声が、あたしたちの上に降り注いでくる。《…略…》夏の盛りが、秋のとば口なのだと告げる鳴き声だ。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録 amazon
(間違えて小休止の時に「リン」と鳴いてしまう鈴虫)皆が沈黙している時に誤って鳴いてしまった気まずきは、人間界でいうなら卒業式の時に「卒業生起立つ」のかけ声で、思わずつられて立ちあがってしまった在校生の心境とかなり近いものがあると思われる。
さくら ももこ / もものかんづめ amazon
柱に蛾が止まっている。最初染みかと思ったが、じっと見ていると、かすかに位置をずらした。灰色の羽に薄すらと産毛が生えている。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
蜘蛛の巣が霧の粒を宿して空中に姿を現す
内海 隆一郎 / 街の眺め amazon
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