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娘の姿態は姉に対する妹のようにしおらしくなっていた。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:26% 作品を確認(青空文庫)
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慎ましい・しおらしい人
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前後の文章を含んだ引用
......治末期に早世した美術院の天才画家、今村紫紅いまむらしこうの南洋の景色の横ものが掛けられてあった。  老主人の濃茶の手前があって、私と娘は一つ茶碗ちゃわんを手から手にけて飲み分った。  娘の姿態は姉に対する妹のようにしおらしくなっていた。老主人の茶の湯の技倆ぎりょうは少しけばけばしいが確であった。  作法が終ると、老主人ははかまって、厚い綿入羽織を着て現われた。炉にかじりつくようにかがみ、私たちにも近寄ること......
単語の意味
しおらしい
姿態・姿体(したい)
しおらしい・・・行動や言葉遣いが上品でありながら、控えめで物静かな印象を受けるさま。
姿態・姿体・・・動きを含め、からだの線が作り出す見た目。体つき。
「態」は訓読みで「すがた、なり」と読める。
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(入院中の爺さんをお見舞いに来て爺さんに怒鳴られて)老婦人は顔を伏せてちぢこまっているが、別にしょんぼりしている様子でもない。四十年も五十年もこの調子でどなりつけられてきて、何も感じなくなっているのだろう。《…略…》 (婆さんが言う)「すみませんねえ。うるさい、きたない年寄りで……」 テーブルの下の棚から、やっと「突き匙」が出てきたときには、吉田老は怒り過ぎたのか、いささかぐったりとしていた。姿勢をしゃんと正さず、半分起きた状態で果物を口に運ぶために、喉仏から鎖骨のあたりに果汁がぼたぼたこぼれ落ちる。婆さんはそれを見て、またしきりに〝きたない〟〝きたない〟と繰り返すのだった。 最初のうち、おれはこの老夫婦の会話をほほえましく聞いていたのだ。昔ながらの封建的だが駄々っ子のような亭主と忍従型の老妻とのやりとりとして。 誤算だった。 婆さんの顔は、押さえきれない喜びに輝いていた。 婆さんは、いまやじっくりと復讐を楽しんでいるのだった。愚鈍を装って、傲慢な夫の神経に、一本一本細い針を突き立てている。ののしられ、婢(はしため)あつかいされ続けたこの半世紀の間、婆さんはじっとこの日を待ち続けて耐えてきたのだろう。いまや、吉田老に残された武器は、どなり慣れた口だけだ。それも所詮は空砲だ。婆さんはいま、案山子の正体を知ったカラスになって、じわじわと一本足の吉田老に近づいていくのだった。
中島 らも / 今夜、すベてのバーで amazon関連カテ復讐・仕返し・見返す患者・病人・けが人夫婦
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