仕事もロクにできないデクノボー

爪の垢（あか）ほどにも価しない私

社会生活不適応者

生活全般にだらしない女

「あなたそれほど自分の能力に自信が持てるの？　あなたの頭の中のどこかに致命的な死角があるとは思わないの？　そうじゃなければあなたは今頃もう少しまともな人間になっていると思わない？　あなたくらい頭が良くてひとかどの能力を持った人ならね」《…略…》死角、と僕は思った。たしかにこの女の言うとおりかもしれない。僕の頭の、体の、そして存在そのもののどこかには失われた地底世界のようなものがあって、それが僕の生き方を微妙に狂わせているのかもしれない。

幹事の立場で会へ参加してもらった礼を言う

咲という名にふさわしい、花のような人だ。柔らかな明るさに満ちている。風に揺れながら、人生に対する陽気な期待で 瞳 をいっぱいに見開いているような感じだった。

なかはガランとして、さむざむした感じだった。

穴にでも入りたそうにうな垂れて肩を落とす

変な気持ちになった。この２人には、夜見る夢の中で幾度か会ったことがあるという気持ちだった。しかしすぐに現実に戻って、そうか、この２人を見ると 誰 でもこんな気持ちになるのね、と知った。 　何となく郷愁を誘う男女だった。