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大部屋の空気の変化に気づいていた。熱気が薄れた。奇妙なほど落ちつき払っている。喧騒は相変わらずだが、殺気立ったところがない。昨日まで部屋中を包んでいた、ヒリヒリとするような乾いた空気が、微かだが湿りけを含んでいるようにも感じられる。《…略…》犠牲者の遺書に流した局員の涙が、熱に浮かされていた大部屋の空気に湿りけと落ちつきをもたらした。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 ページ位置:81% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......。そうしながら、右から左へと視線を移していった。その視線をゆっくりとまた右へ戻していく。 肌で感じるということだろうか、原稿に赤ペンを走らせつつも、何とはなしに大部屋の空気の変化に気づいていた。熱気が薄れた。奇妙なほど落ちつき払っている。喧騒は相変わらずだが、殺気立ったところがない。昨日まで部屋中を包んでいた、ヒリヒリとするような乾いた空気が、微かだが湿りけを含んでいるようにも感じられる。ひとことで言うなら、それは「日航以前」の大部屋の表情に近かった。 最初の山場を越したから。 そんな言葉が悠木の頭に浮かんでいた。 八月十七日組み十八日付の紙面が......<中略>......屋は驚嘆し、大混乱に陥った。墜落場所がわからず、まんじりともせずに朝を迎えた。生存者がいたことに歓喜した。「隔壁」に沸騰し、ものにできず臍を嚙んだ。そして今夜、犠牲者の遺書に流した局員の涙が、熱に浮かされていた大部屋の空気に湿りけと落ちつきをもたらした。 悠木もまた、平静を取り戻し始めている自分に気づいていた。 詳報でいく。その思いは、もはや揺るがないだろう。局内の日航熱が冷めつつある中、全権デスクがいつまでの......
単語の意味
浮かされる(うかされる)
熱に浮かされる(ねつにうかされる)
含む(ふくむ)
喧噪・喧騒(けんそう)
浮かされる・・・1.高熱などで意識がボーっとなる。
2.ある物に強く心をひきつけられて、そわそわする。「韓流ブームに浮かされる」
2.ある物に強く心をひきつけられて、そわそわする。「韓流ブームに浮かされる」
熱に浮かされる・・・1.高熱でうわ言を言う。のぼせ上がる。
2.ある物に心を奪われて、ふわふわした状態になる。「熱にうなされる」は本来誤り。
2.ある物に心を奪われて、ふわふわした状態になる。「熱にうなされる」は本来誤り。
含む・・・1.口の中に入れて噛んだり飲み込んだりせず、そのままの状態のこと。
2.ある気持ちを態度に示したり、なんとなくにおわす。「憂いを含んだ表情」
3.ある範囲の中にその要素が入っていること。「サービス料を含んだ値段」
2.ある気持ちを態度に示したり、なんとなくにおわす。「憂いを含んだ表情」
3.ある範囲の中にその要素が入っていること。「サービス料を含んだ値段」
喧噪・喧騒・・・物音や人の声など、生活の音がやかましいこと。また、そのさま。「都会の喧噪を離れる」
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雰囲気が悪い・重苦しい空気の表現・描写・類語(雰囲気・空気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
店のざわめきが瞬間冷凍されたみたいにぴたりと止み
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
部屋の空気がひどく重くなっているように感じられた。極端に言えば、部屋の中にある何もかもが釘で床に固定されたような、そんな感じだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
空気が 葛湯 のように重たくなってくる。 こういう時は、何かしゃべった方がいい。
向田邦子 / りんごの皮「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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居心地がいい・過ごしやすい雰囲気の表現・描写・類語(雰囲気・空気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
何でもない夜中の会話のすばらしさは、それにぴったりと寄り添っている空間の匂いだ。人と同じ部屋にいて、でもじぶん一人でいるよりも自由で、心強い。言葉以外の多くに何もかもが香り立つようにふくよかだ。沈黙と 赦しのドームで、その新鮮な空気の中にただ包まれているようだ。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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「雰囲気・空気」カテゴリからランダム5
夕焼け色の湖をバックにベンチに座っている二人に、リリカルなピアノ曲なんかをそっとかぶせてみる。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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