隣の台でナインボールに興じている若者が、渾身の力をこめてブレイク・ボールを撞き(つき)出す。乾いた破裂音があたりに満ち、小さな歓声が続く。
原田宗典 / ミズヒコのこと「しょうがない人」に収録 作品を確認(amazon)
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単語の意味
歓声(かんせい)
歓声・・・歓(よろこ[=喜])び声。喜びのあまりあげる叫び声。うれしくて叫ぶ大きな声。歓呼の声。
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キューにチョークをこすりつける際の小動物の悲鳴に似た軋み音
宮本輝 / 道頓堀川 amazon
精気のない白玉の動きだったが、それは邦彦の息をふっと一瞬とめてしまうほど微妙に、薄く薄く赤玉をかすめていく
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
(久しぶりのビリヤード)革箱から玉を出し、軽く突いてみた。キューを伝わって、 懐しい弾力が肩のつけ根まで響いてきた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
硬い音とともに白球は低く二三回バウンドし、緑のラシャの上を思わせぶりに転がって、赤球に触れた
原田宗典 / ミズヒコのこと「しょうがない人」に収録 amazon
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振り切ったバットから、優雅な放物線を描き、ボールが夜空に舞い上がった。博士の古い大学ノートに書かれていたような放物線だった。ボールは月よりも白く、星よりも美しく、群青色の宙のてっぺんに浮かんでいた。皆がうっとりとその一点を見上げていた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
(ピアノの調律の練習がうまくいかない)泳げるはずだと飛び込んだプールで、もがくようなこと。水をかいても、進んでいる実感がない。夜ごと向き合うピアノの前で、僕は水をかき、小さな泡を吐き、ときどきはプールの底を足で蹴って、少しでも前に進もうとした。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
(ファウルボールが客席に飛んできて危険な目に遭う)ボールが落下をはじめた瞬間、これは決して優雅な打球などではないと悟った。止めようもなく見る見るスピードは増し、風を切り、長い旅を経て宇宙から落下してくるもののような熱気を撒き散らしていた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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