目も向けられないような濃い雪の群れは、波を追ったり波からのがれたり、さながら風の怒りをいどむ小悪魔のように、面憎 く舞いながら右往左往に飛びはねる。吹き落として来た雪のちぎれは、大きな霧のかたまりになって、海とすれすれに波の上を矢よりも早く飛び過ぎて行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:40% 作品を確認(青空文庫)
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吹雪・暴風雪
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前後の文章を含んだ引用
......た三角波が互いに競って取っ組み合うと、取っ組み合っただけの波はたちまちまっ白な泡 の山に変じて、その巓 が風にちぎられながら、すさまじい勢いで目あてもなく倒れかかる。目も向けられないような濃い雪の群れは、波を追ったり波からのがれたり、さながら風の怒りをいどむ小悪魔のように、面憎 く舞いながら右往左往に飛びはねる。吹き落として来た雪のちぎれは、大きな霧のかたまりになって、海とすれすれに波の上を矢よりも早く飛び過ぎて行く。 雪と浸水 とで糊 よりもすべる船板の上を君ははうようにして舳 のほうへにじり寄り、左の手に友綱の鉄環 をしっかりと握って腰を据 えながら、右手に磁石をかまえて、大声で......
単語の意味
面憎い(つらにくい)
面憎い・・・顔を見るだけでも憎らしい。顔を見るのも嫌で不快だ。
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目も向けられないような濃い雪の群れは、波を追ったり波からのがれたり、さながら風の怒りをいどむ小悪魔のように、面憎 く舞いながら右往左往に飛びはねる。吹き落として来た雪のちぎれは、大きな霧のかたまりになって、海とすれすれに波の上を矢よりも早く飛び過ぎて行く。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
空一面の吹雪は、風の工合で、白い大きな旗がなびくように見えた。
小林多喜二 / 蟹工船
越前の荒海と逆巻く牡丹雪
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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