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東嶺寺とうれいじの森がこんもりと黒く、暗い中に暗く写っています。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:89% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......柿落葉の時節で宿から南郷街道なんごうかいどうへ出るまではの葉で路が一杯です。一歩ひとあし運ぶごとにがさがさするのが気にかかります。誰かあとをつけて来そうでたまりません。振り向いて見ると東嶺寺とうれいじの森がこんもりと黒く、暗い中に暗く写っています。この東嶺寺と云うのは松平家まつだいらけ菩提所ぼだいしょで、庚申山こうしんやまふもとにあって、私の宿とは一丁くらいしかへだたっていない、すこぶる幽邃ゆうすい梵刹ぼんせつです。森から上はのべつ幕なしの星月夜で、例の天......
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