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夜が更けて来るにしたがって黒い山々の尾根が古い地球の骨のように見えて来た。
梶井基次郎 / 闇の絵巻 ページ位置:31% 作品を確認(青空文庫)
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夜
山
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前後の文章を含んだ引用
......養地の身を噛むような孤独と切り離せるものではない。あるときは岬の港町へゆく自動車に乗って、わざと薄暮の峠へ私自身を遺棄された。深い溪谷が闇のなかへ沈むのを見た。夜が更けて来るにしたがって黒い山々の尾根が古い地球の骨のように見えて来た。彼らは私のいるのも知らないで話し出した。 「おい。いつまで俺達はこんなことをしていなきゃならないんだ」 私はその療養地の一本の闇の街道を今も新しい印象で思い出す。......
単語の意味
尾根(おね)
尾根・・・連なった山を遠くから見たときの、ある山の頂上と隣の山の頂上を結ぶ、一番高い線の部分。山稜(さんりょう)。
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赤い火の色が麓の方へ降りて行って、山の姿の半分位までが、明るく光り出した時分には、要の頂上は、瑪瑙(めのう)を磨き立てた様な色になっていた。
内田 百けん / 東京日記「東京日記 他六篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
影絵のように向こうの白い山はだに影が映る
遠藤 周作 / 何でもない話 amazon
何か大きな動物の背のような感じのするこの山の姿
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「地上・陸地」カテゴリからランダム5
衝立岩は──その強大な城壁を護る門兵の位置にそそり立っている。痛々しいまでに鋭利な垂壁。「ハング」と呼ばれる垂れ幕のような形状の岩盤が幾重にも折り重なり、陰惨な悪相を晒している。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
山々の黒い影が闇よりもずっしりと重い
吉本 ばなな / キッチン amazon
「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
庭にうすい墨がかかってきた。松も 楓 も五輪も、もうどっちでもよかった。
向田邦子 / かわうそ「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
闇は静かにその濃さを増して、影の輪郭さえも覆い隠そうとしていた。電車の揺れる音、子供の叫ぶ声、タイヤが砂利を噛む音、サイレンの単調な響き、すべての音が絡み合って闇の中に沈澱している。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
夜明けだ、新しい空気が甘美な果汁のようにかれを蘇生させる。
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
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