（性的妄想）わたしは自分がそのほっそりとして滑らかな身体に抱かれるところを想像しました。彼女と同じ部屋にいて、ベッドの中でそんなみだらな想像をしていると、だんだん自分がちがう場所に押し流されていくような気がしました。

昭子の体の 芯 のあたりで熱いものが揺らめいた。ひたひたと潮のように押し寄せ満ちて来るものがあった。

わたしは自分の中に、性的な力が 漲ってくるのを覚えた。

彼女の瞳が長く湾曲した睫毛の間から肉欲を訴えて光った。

身内を吹きすぎる欲情

（別れを決めた人と想定外のデート）だから今日一日はつけくわえられた夢、空に浮いた詩なのだ。

ぶ厚い唇がわたしの唇を押し開き、髭の剃り残しがわたしの唇のまわりをちくちくと刺した。なめらかな、やわらかい、潤った熱いものがわたしの口の中を隙間なく充たした。

（女性がはいていた下着）まるで絨毯にできた小さな焦げ跡か染みのように、小さく丸められて遠くにある

彼は恐怖感を覚えた。彼女は、よくティエンの背骨の窪みに舌を当ててなぞった。その際に彼の全身の皮膚に張り付いた泡立ち。恐怖感は、その時の震えとよく似たものを運ぶ。違うのは、そのみなもとが快楽であるか、せつなさであるか、である。

水島は射精の瞬間を少しでも先にのばしたがっている。何度か動きを止め、あるいは身体を離し、鎮まるのを待つ。