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心と心との撃ち合う音のない争い
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:82% 作品を確認(青空文庫)
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不仲・仲が悪い・犬猿の仲
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前後の文章を含んだ引用
......彼を苦しめるからだ、と云うのだ。――  皿を抱えたまま、伸子はじっと立っていた。彼女は、ここまで来ても遁路にげみちのなかったのを知らされたような沈着を心に感じた。病気に、心と心との撃ち合う音のない争いをやめさせる力は、なかった。  夫が今は病気だから、ひとりでにいたわり助けているが、つきつめたところへ行けば矢張り彼を受け入れているのではない。同じように、佃も内......
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