暗闇の牛みたいに、のっそり、人影が動いた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:8% 作品を確認(青空文庫)
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シルエット・影絵
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前後の文章を含んだ引用
......あははは。これで死にゃ、人間も、世話アねえ」 自嘲の歯を剥 いて、からからと、独りで肩をゆすぶっていると、牢鞘 の外で、 「おい、雲霧」 と、誰か低く呼ぶ者がある。 暗闇の牛みたいに、のっそり、人影が動いた。雲霧は――ははあ、もう牢番の交代時刻か――卯平 がやって来たな、と直感した。 「何を、思い出してるのだ。――もう明後日 は本牢へ送られ、この月の内にゃ小塚ッ原で、胴と......
単語の意味
牛(うし)
暗闇(くらやみ)
牛・・・ウシ科の哺乳動物の総称。古来より、耕作などの労働力としても使われる重要な家畜。体は頑丈で頭に二本の角を持ち、尾は細い。草などを食い反芻(はんすう)する。和牛は黒色のものが多く、朝鮮牛は赤褐色で小形。肉・乳は食用、皮・骨・角などでもさまざま作られる。
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暗闇の牛みたいに、のっそり、人影が動いた。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
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(女は)空色の線のはいった幾らか明るい色調の春のスーツに着変えて、それが夕暮の光のまだ残っている駅前の広場の中に柔らかくとけ入るように見えた
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