わたしたちはしばらく黙って夕闇を眺めたあと、立ち上がった。ひっそりうずくまっていた時間が急に息を吹き返し、一筋、風が通り過ぎていった。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:97% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......う」「それを説明するのは、ごく簡単なことです。そのあと僕は、ちょっとしたきっかけで泳げるようになった。そしておじいさんは、悪性腫瘍で死んだ。これで終わりです」 わたしたちはしばらく黙って夕闇を眺めたあと、立ち上がった。ひっそりうずくまっていた時間が急に息を吹き返し、一筋、風が通り過ぎていった。「さあ、帰ろう」 彼が声を掛けると男の子は目を開き、夢の続きを見ようとするかのように何度もまばたきした。ジュジュが尻尾の先で子供の頰を撫でた。「またいつか、ここ......
単語の意味
夕闇(ゆうやみ)
暫く・姑く・須臾(しばらく)
夕闇・・・日が沈んで、月が出るまでの間の薄い暗闇。夕方、月がなくて暗いこと。
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
干上がった湖の底のような沈黙がある
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
しばらく沈黙がつづいた。そのあいだに僕はシャツのボタンにからまった糸屑を取り、ボールペンでメモ用紙に星の絵を十三個描いた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
次に何を聞けばいいのかわからなくなって、口を閉ざした。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
落ち着いた調子をわざと人々に見せびらかせているかのように、ゆっくりした声で調子を低めて言った。強い自尊心の破片がその声の中にはあった。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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