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有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:93% 作品を確認(青空文庫)
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世知辛い・生きにくい世の中
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前後の文章を含んだ引用
......。ただ夏の夕 が涼しく夜につながろうとしているばかりだった。葉子はきょとんとして庇 の下に水々しく漂う月を見やった。 ただ不思議な変化の起こったのは心ばかりだった。荒磯 に波また波が千変万化して追いかぶさって来ては激しく打ちくだけて、まっ白な飛沫 を空高く突き上げるように、これといって取り留めのない執着や、憤りや、悲しみや、恨みやが蛛手 によれ合って、それが自分の周囲の人たちと結び付いて、わけもなく葉子の心をかきむしっていたのに、その夕方の不思議な経験のあとでは、一筋の透明なさびしさだけが秋の水のように果てしもなく流れているばかりだった。不思議な事には寝入っても忘れきれないほどな頭......
単語の意味
千変万化(せんぺんばんか)
憤る(いきどおる)
千変万化・・・いろいろと変化すること。変化がはなはだしい。
憤る・・・1.怒る。腹を立てる。憤慨する。
2.思いが胸につかえる。心が晴れない。不満をいだく。
2.思いが胸につかえる。心が晴れない。不満をいだく。
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風にゆれる草穂 のような気もち
宮沢賢治 / 鹿踊りのはじまり
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トラブルが起ると気分がかきまわされ、仕事が手につかない
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
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もうひとつ別の世界に移るの。となりに並走して走っている電車に乗り移るみたいに。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
あのまま黒崎のそばにいて、黒崎の子を産んでいたらどうなっていただろう。水島に出会わず、陣治にさえも出会わず、ちがう世界のなかでちがうものを見、ちがうことを考えながら生きただろう。その世界が実際にどこかに存続しているような気がする。水島のそばにこうして身を横たえている今、その世界ではその世界の十和子が、黒崎の帰りを待って夕食の支度をしているかもしれない。いなくなってしまった黒崎が、そこでは毎晩十和子のもとに、ただいま、と帰ってくるのだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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