壺のような細長い鍋

日本のブィヤベーズはちゃんこなべだと思った。

ちりなべ、水たきなど、さっぱりして日本人の口にはあうけれど、若い人達にはちょっとものたらないのではないだろうか。

（食が細く偏食なのは）身体が弱かったせいだったのだと、今になってしみじみとわかった。 　この数カ月、朝食はそうめんときまっていたが、それが一番おさまりがよいのだった。昨年の冬は、たらちり、豚のしゃぶしゃぶ、かきの土手なべですごした。なべものにこったというより、なべものが身体に合ったというのが正しかったのだろう。

生き別れた母親でもいるかのように鍋の中を覗き込んで

食卓に上がった鍋の蓋を開けると、湯気がふわり

おせちは、伝統とか、儀式とか、由来とか、そういうものの上にアグラをかいていい気になっているような気がする。 　四段重ねで十二万円のおせち料理さえあるという。 　おせちは、明らかに時代とズレてきているようだ。

おでんは郷土料理であり、すべての日本人のおふくろの味。故郷や家族だんらんに直結するおでんは人の心を豊かにする。

懐かしく、落ち着く、日本人好みの味わい

唐揚げにレモン汁をかけるのは邪道である。異論は認める。どうして邪道なのかというと、「そのまま食べても美味しいのが真の唐揚げ」だからであり、レモン汁をかける行為は「味をごまかす行為」になるからである。